京都市の中でも、JR嵯峨野線の二条駅、円町駅、花園駅周辺の神社仏閣、お城を紹介します。
円町駅から北の方に上がると、有名な観光名所がいくつか集まっていています。
まず福岡の太宰府天満宮とともに、菅原道真を祀っていることで知られる「北野天満宮」です。
全国約1万2000社の天満宮・天神社の総本社であり、天神さまとして親しまれています。
境内には、道真が愛してやまなかった梅の花が多く咲いています。
彼が謀略によって京都を追われることになった際に詠んだ、「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな」という句はよく知られます。
北野天満宮は梅だけでなく、紅葉の名所としても知られます。
豊臣秀吉が水防のために築いた土塁「御土居」の一部が残る境内の西側一帯は、約350本の紅葉を有する名所「もみじ苑」として史跡になっています。
ここは期間限定でのみ公開されます。
社殿や川に架かる橋を、燃えるような紅葉の赤がきれいに彩っています。
北野天満宮から歩いて行ける「平野神社」は、桜の名所として知られます。
平野神社発祥の桜である魁桜は早咲きの品種であることから、この桜が咲き出すと都のお花見が始まるといわれているそうです。
桜でいえば仁和寺の「御室桜」も有名です。
こちらは遅咲きの桜です。
江戸時代から庶民の桜として親しまれ、いくつかの和歌にも詠まれました。
江戸時代の儒学者・貝原益軒は、吉野の桜に勝るとも劣らないとまで絶賛しています。
特に満開の桜越しに見える五重塔は、仁和寺で花見をするならハイライトとなる絶景です。
細川勝元によって建てられた龍安寺は枯山水の石庭が特に有名で、世界文化遺産にも登録されています。
石庭は「方丈庭園」とよばれ、白砂の上に15の石を配しただけで静的に美が表現されています。
境内には水戸黄門として知られる徳川光圀がした、「吾唯足知」の文字が入ったつくばいが残されています。
仏教の本質であり、茶道の精神の真髄でもある言葉です。
龍安寺やここの石庭では、最小限のものを使って自然美を再現するという枯山水の極地を見ることができます。
また本能寺の変を起こした明智光秀がここで辞世の句を詠み、住職に自害を止めるよう説得されたという話も残るそうです。
二条城は、徳川家康が京都の徳川家の拠点として築いた城であり、徳川慶喜による大政奉還が行われた場所でもあります。
城内は狩野派による障壁画によって豪華絢爛な空間となっており、徳川家の権勢を示す役割を果たしていました。
そんな権勢が終わりを告げるきっかけとなった大政奉還が行われた大広間は、今も見ることができます。
まさに徳川幕府のの始まりと終わりを見守っていた城であるといえます。
敷地内には大きな庭園もあります。
二条駅から歩いてすぐの場所に、桓武天皇による平安京造営の際に付属庭園として築かれた「神泉苑」があります。
空海が雨乞いの祈祷を行い、見事雨をふらせたという伝説が残る場所です。