富山県の五箇山と岐阜県の白川郷は、合掌造りの集落として知られています。
バスであれば、高岡駅から出ている「世界遺産バス」を利用すればどちらにも訪れることができます。
五箇山は「相倉合掌造り集落」と「菅沼合掌造り集落」とに分かれており、白川郷と合わせて1日で回ることができます。
そこでは昔話の中に迷い込んだような世界が広がっており、まさに日本の原風景といえます。
山に囲まれて外部から距離をおいた環境にあることから、このような独自の集落が形成されていったそうです。
上の写真は夏に訪れた時のものですが、五箇山には3月初頭の、まだ雪が多く残る季節にも訪れました。
季節が違うと、全く違う景色に様変わりします。
雪の積もった様は、幻想性をより引き立たせてくれます。
合掌造りの建物の中では、今でも生活をされている方々が丁寧に案内してくれます。
また実際に使われている道具や日用品の展示も見ることができます。
合掌造りの中からは、建物の構造がくっきりと見えるようになっています。
住人の方に聞くと、地震が起きても耐えられるような合理的な構造になっているそうです。
そして建物の中では、現地の食材を使った料理を振る舞ってくれます。
僕が行った時は鮎を丸焼きにするところを見せていただいて、それをそのままいただくことができました。
この上ない贅沢です。
下の写真は白川郷です。
少し歩いて展望台まで登ると、その全貌を一望できます。
非日常を味わえるというのは旅行の醍醐味の1つですが、そういう意味では五箇山や白川郷ほど旅行先としてふさわしいところはないかもしれません。
これらの集落には「結の心」という考え方があるそうです。
それは人々の助け合いを重視する考え方であり、ここでは厳しい自然環境のために家同士が協力しないと生きていくことができないのです。
何事も便利になって効率や生産性ばかりが求められる現代にあって、人の繋がりを大事にしてのどかに暮らしている合掌造り集落の人々から学べることは多いのではないでしょうか。